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介護保険よもやま話

ブログ

第4話

2025-11-01
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事業者撤退が相次いだ「総合事業」
介護保険四半世紀の歴史では、要介護度の低い人を対象から外す方向で進んできました。

最初は、2005年の介護保険法改正で設けられた「要支援1」「要支援2」です。これらの人へのサービスは新たに設けた「介護予防サービス」として、従来からあった訪問介護やデイサービス(通所介護)などの利用を制限しました。さらに2014年の法改正では、訪問介護とデイサービスを介護保険の給付から除外し、自治体による介護予防・日常生活支援総合事業(地域支援事業、17年度までに段階的に移行)に移してしまいました。

介護保険では、利用者が使ったサービス費は保険から給付されます。総合事業の事業費も基本的には介護保険本体と同じで公費と保険料で構成されていますが、保険者である市町村に対して給付の上限額が設定されています。給付額だけで賄えない場合は市町村の負担となるわけですが、負担できるかどうかは財政力次第。ここで、受けられるサービスに自治体で格差ができるということになりました。

本来、介護保険は全国一律の制度。自治体が独自のサービスを上乗せすることなどは認められていますが、どこに住んでいても保険料さえ支払っていればサービスの量や種類に格差がないのが原則です。スタート当初は事業者の参入具合が地域によって違ったため、特に過疎地や離島などで保険料を払っても一部のサービスが受けられないといことが問題視されました。現在進行中の社会保障審議会介護保険部会では、大都市や中山間地・人口減少地域といった規模別で持続可能な介護サービスをどう確保するかが話し合われています。ここでも、出席者から「いかなる地域であってもサービス量やサービスの質が見劣りすることなく維持されることを強く望む」との声が出されました。

 総合事業では実際、多くの自治体のサービス単価は介護保険メニューより低く、近年のヘルパー不足もあって、運営への影響を懸念する事業者の撤退が続出しました。特に大手は総合事業を受けないと言われています。要するに、もうからないからです。ある大手事業者は「報酬の低さもあるが、自治体によって基準や申請フォームがバラバラで事務作業が膨大だから」と言っています。 

少し古い調査ですが、2020年4月の段階で、東京23区でほぼ2割の事業者が総合事業の仕事を受けていませんでした。 実はこれ、想定内のことだったのです。総合事業への移行をめぐって2018年2月、厚生労働大臣が「250の自治体で撤退する事業所がある」と国会で答弁。「多くの介護難民が出る」と騒ぎになりました。特に、訪問介護の生活援助は、高齢者の心身の状況が落ち込まないように生活を支えて介護予防、自立支援をするという大きな目的があったはず。必要な生活援助が受けられず、日常生活や心身の状況が悪化した高齢者がどれくらいいたのか。国は調査すべきではないでしょうか。
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